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<<   作成日時 : 2013/01/20 07:00   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 5 / トラックバック 0 / コメント 10

あれはもう30年くらい昔の話になる。
雑誌に変わった形のボトルのウィスキーが載っていた。
森を背景にしたその写真は、当時の都会的広告が溢れている中にあって、もの凄く目を引いた。キャッチコピーも短文だがその品物を語るに余りあるモノだった。

当時学生だった私は東京の吉祥寺という街に住んでいて、学校に行くつもりで寮を出ても駅を突き抜けて井の頭公園で日向ぼっこをしたり、駅の東側にある映画館に行ったり、世間で言う真面目な学生ではなかった。

ある時、件の映画館からの帰路に『近鉄裏』と呼ばれる、通には有名な場所を通るルートをとった。そこにショーウィンドウが大きい小綺麗な酒屋があって、店先にサントリーとニッカのピュアモルトが並べてディスプレイしてあった。

当時はピュアモルトが出て間もない頃であり、安ウィスキーの混ぜ物が蛇蝎の如く嫌われ始めた時期でもあった。映画の余韻のままなんとなく帰ってからウィスキーでも飲みたい気分となり、当時余り酒を好まなかった私にとって酒屋に入ること自体希有のことだったのだが、余りにディスプレイが綺麗だったのと印象的な写真を思い出して、その広告のウィスキーを飲もうと決心した。
画像
そこで人生で初めての自分の為の自分専用の酒を入手した。
言うまでもないが、その時に買ったのがこのフロム・ザ・バレルである。

その頃は酒の味など理解したかどうか怪しいものだが、巷間溢れていたオールド等とは違うウィスキーであることは漠然と判った。他のウィスキーと違ってこの酒は私にも飲めるといった判り方だったが。
その後しばらくしてから酒には旨いものと、そうでない物があるのを学習した。

その頃に飲んだ印象と今の印象がどう違うのか、酒と自分がどう変わったのかも興味があったが、近隣に売っている店はなくネットのレビューを読みながら通販で買おうかと迷っている時、たまたま入った酒屋にニッカの品揃えが多いのを発見し、迷わず購入した。

個人的にこのボトルのデザインは本当に秀逸だと思う。グラスに注ぐ時にコツが必要だが、またそれも良い。少し濃いめの色。ストレートで飲んでもトゲのない味。度数の高いのも気にはならない。少しずつ加水していくと香りも立ってくる。

口の中に入れてしばらくすると柔らかく甘みが立ち上がる。そしてビターを伴ってスパイシーさがやってくる。それもヤンワリとした刺激で。よく使われる表現だとジンジャーに似た刺激。某シングルモルトのような唐辛子的な刺激では決してない。ピート香もあくまでも柔らかく徐々に立ち上がる。しばらくして心地よいバニラ香。
気をつけないと心地よすぎて飲み過ぎてしまう。非常に旨い酒だ。

しばらくブランクがあった事を後悔するくらい良い酒である。
学生時代の私は満更馬鹿舌でもなかった訳だ。
普段よりもゆっくりと飲みながら、当時親交のあった社会人の方から「ニッカの酒が旨いことが判れば一人前だ」と言われたことを思い出した。
果たして私は一人前になっているのやら…。

この酒はブレンダーとの会話が出来る、造り手の意志がよく判る酒である。
そして今現在も造り続けているニッカという会社の姿勢も大したものだと思う。

贅沢を言えばもっと入手しやすくして貰えれば有り難いのだが。



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コメント(10件)

内 容 ニックネーム/日時
こんにちは!
何たる奇遇、ちょうど今乙山もこれを飲んでおりますよ。
日本のウィスキーをネットでまとめ買いしまして、少しずつ飲んで楽しませてもらっています。
それにしてもフロム・ザ・バレルは旨いですね。
創業者の竹鶴政孝氏は1979年に亡くなっていますので、
フロム・ザ・バレルとかピュアモルトを知らなかったのでしょうが、もし生きておられたら「いいものを作ったな」とほめてくれることまちがいなしの逸品だと思います。
乾杯!
只野乙山
2013/01/20 09:51
乙山先生 コメントありがとうございます。
実は書いてあるとおり、この酒には個人的な思い入れがありまして…
恥ずかしい若い頃の事をちょっと語ってみました。
それにしてもフロム・ザ・バレルという酒は、日本のウィスキーの中でも秀逸の出来だと思います。
あの頃には感じられなかった事が、この年でようやく感じられる様になった事は幸せなんだろうなと思ったりします。

そう言えば最初乙山先生のブログにお邪魔するきっかけなったのもこの酒でした。
今後とも宜しくお付き合い下さい。
では、良い休日を!
Nori
2013/01/20 10:18
こんにちは
ウィスキー音痴の私はウィスキーをそうそう語れません。
住民票が沖縄にある私としては、やはり泡盛です。
実は、泡盛に関してちょっとマイフェイバリットがあります。
八重山の「白百合」という酒です。
泡盛の中では、最もクセのある部類の銘柄です。
業界がどんどん洗練した味にしかしていく中で
昔ながらのカビ臭い味わいなんです。
流通もそんなにしていません。
けっこうノーサンキューという意見が多いんですが
一度、バーボン好きの友人に飲ませたら
彼もはまっちゃいました。
作り手の顔が浮かんでくるような酒なんですよね。
もし機会があれば、お試しあれ。
根岸冬生
2013/01/21 19:10
根岸さん コメント有り難うございます。

泡盛も良いですよね。
実はウチにも「瑞泉 翔」という古酒と「久米島の久米仙」という泡盛が秘蔵されておりまして…

おっしゃる様なクセのあるものではないのですが、どこか尖った個性的なお酒には何か惹かれるものがありますね。
一度飲んでみて印象をUPしてみようと思います。

つまらない男ですが、今後ともよろしくお付き合い下さい。
Nori
2013/01/21 20:17
同感です。
南斗
2014/04/08 20:44
南斗さん コメント有り難うございます。

フロム・ザ・バレルは良い酒ですよね。
竹鶴12年とこの酒は家に常備してあって、少しずつ大事に飲んでおります。
最近はハイボールやらシングルモルト流行であまり日の目を見ませんが、こういった酒を造り続けていって欲しいものだと思います。

それと忙しさにかまけて返事の遅れましたことをお詫び致します。
Nori
2014/04/09 17:56
初めまして!Lughと申します。
こちらで様々な記事を見て、最近ウィスキーを飲み始めました、齢27の若輩ものです。
先程出先でこのお酒を見かけまして、気づいたら握りしめ帰っているところです。
某サイトでも非常に評価の高いので、楽しみです。
Lugh
2014/06/19 18:39
Lughさんはじめまして。 コメント有り難うございます。

フロム・ザ・バレルは私自身の思い入れのあるお酒なので、書いてある記事が当を得ているのかどうかは判りません。
でもウィスキーを飲んでいる楽しみがあって、ニッカは本気で造った酒である事は判ります。

問題は普通の酒屋に置いて居ない事でして、入手出来る店を確保されたのはとても良い事だと思います。
実は私もこれを我が家に常備して居ります。

もし気に入られたのなら、また感想を聞かせて下さい。
Nori
2014/06/20 00:52
度数が高いけど、最初は30mlだけ、ストレートで飲みました。濃い筈ですけど飲み易かったなぁ。
後は、ロックにしました。
ロックにしても旨いことにかわりありません。
9月出荷分から500円ほど値上がりしていますが、個人的には、今のを飲み干したら、また買いたいです。
ネットでは値上がり前の価格で買えるようですが、ネット通販とか安売り店で買うのに二の足を踏みそう…

他の銘柄でも、あまりにも安いと中身を疑いそうで…あくまでも私的意見です。
フェイク
2015/09/06 14:44
フェイクさん コメント有り難うございます。
パソコン不具合で返事の遅くなりました事をお詫び致します。

確かにこの酒の度数は高いですけど、風味が濃くてついつい飲んでしまう旨い酒ですよね。私もロックで飲むとまた別の趣があると思います。
世間には氷や水に負けてしまう酒もありますが、この酒は割り負けもせず味が楽しめるかなと。

まあネットの通販には古いものを送ってくる店も有るようですが、実店舗でしっかり商売をしているような店だと余り問題が無いようですよ。
ただ余り安い値段が付いたものは気を付けた方が良いかもしれませんね。
品質と言うより品物を送ってこない事もあるようですから…。
Nori
2015/09/09 23:33

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