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zoom RSS 我が青春の蹉跌 ニッカ ピュアモルト・ブラック

<<   作成日時 : 2013/02/04 07:00   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 1 / トラックバック 0 / コメント 4

今から30年ほど昔のことである。
東京の吉祥寺という街に私は住んでいた。そこには『近鉄裏』と呼ばれるスケベか酒飲みに有名な一角があり、その片隅に今も忘れられない小綺麗な酒屋があった。

歳を取ると何度も同じ事を繰り返して言う様になるらしいが、忘れている訳でもボケた訳でもなく、これはこの間の話の続編である。

当時フロム・ザ・バレルを寮の部屋でこそこそ独りで楽しんだり、気の合うヤツと夜通し語り合うのに飲んだりして、気がつくとすっかり空になっていた。
後日、綺麗にディスプレイされたもう一つの酒を飲んでみたくなり、今度は真面目にも学校の帰りに件の酒屋に立ち寄って買い求めた。それがピュアモルトの黒である。

以前は素っ気ないクラフト用紙で作られた箱に入っており、ネームを入れるためのシールとリボンが同梱されていた。栓もオロナミンCのようなリップ式で、開栓した後は丸いコルクの栓で蓋をするようになっていた。まるで理科準備室の試薬のようで凄く格好良かったのを記憶している。
画像
で、何が青春の蹉跌かというと、4分の1ほど飲んで机の上に置いていたのだが、知らないうちに半分ほどに減っていて、次の日にはさらに底から数pにまで減っていた。天使の分け前と呼ぶにはあまりに激しい減り方である。
犯人は天使などではなく、同期の大酒飲みの男であった。くすねているのを目撃した後輩の通報によって事が露見したのだ。

あっけらかんとした良い男だったから私も笑って許したのだが、それ以来、寮の部屋に置く酒は実家の親父からくすねたオールドとか、S社の赤とかトリ○とか安価なモノしか置かなくなった。
それから何故か天使も折角の分け前を持って行かなくなってしまったのだった。
彼は大酒を飲むだけでなく味の方も判っていたようだ。
私自信もずっと後にアイラモルトに出会うまで、ウィスキーとは縁遠くなってしまった…。
いずれにしても大した蹉跌ではないけれど。

今、改めて飲んでみるとやはり良い酒である。
香りはピート香が立った、言わば「ウィスキーってこういうモノだよ」という香りである。飲み口は上品な甘さと適度なコクがあり、後でやってくるスパイシーな部分には若干角があるにしても、全体的にゆったりとした挙動。後口に来るバニラ香がスッと抜けていくのが心地よい。淡麗な潔い味。甘い香りが抜けてから、その底にあったピート香がふっと再び顔を出す。竹鶴ピュアモルトやフロム・ザ・バレルのベースがこの辺りにあるのがよく判る。余市蒸留所の雰囲気が漂う旨いウィスキーだ。

正直に言うと、昔はフロム・ザ・バレルよりピュアモルトの方が好印象だったりした。
それは単に当時は淡麗な酒を好んでいたからだろう。
まあ、色々と至らなかったと言うことです。

それはさておき、最近こういった挙動の柔らかな酒を好むようになったのは、飲み方がゆっくりした形に変わってきたからだと思う。いい酒はゆっくり玩味しないと勿体ない。
もっと早く気付けよ。

これは例の近くの酒屋で買ったものだが、定価に近い価格とは言え入手経路が確保できたことで、我が家のジャパニーズウィスキーの定番になりそうだ。

しかし冷静に考えるとフロム・ザ・バレルとの価格差が200円程度なのだ。
また店の中で長考に入るかも。

赤ラベルや白ラベルも飲んでおきたいし…。


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なるほど(納得、参考になった、ヘー)

コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
吉祥寺というのは、おしゃれな学生の街でありました。
もっとも、僕にとっては高校生時代にかかわった街ですね。
ということは、町の味わいを知るには若過ぎたかもしれません。
昨日は、那覇の台湾料理屋で高粱酒58度を飲みました。
ブリティッシュスコッチの系譜よりもアジアン火吹き酒の系譜かもしれません。僕の場合。
根岸冬生
URL
2013/02/05 14:15
根岸さん コメントありがとうございます。

高校時代って事は通学しておられたんでしょうか。
街はおしゃれでしたが、私は田舎から出てきた全然おしゃれじゃない学生でした。
いつもホープ軒でラーメンをすするか、松屋の牛丼を食らっていた様な生活でしたね。
お金が無いから当然近鉄裏の店にはあまり入ったことがありません。井の頭公園入り口の焼鳥屋ばかりで…。

しかし、58度って凄い酒ですね。
口の中で遊ばせることも厳しい位じゃないですか?
一度チャレンジしてみたい気も…。
Nori
URL
2013/02/05 16:00
こんにちは!
ピュアモルトのブラックですね! じつは乙山もつい最近それを飲んで、記事にしようと思っていたのです。
写真に撮るとき、綺麗なほうがいいと思って瓶を拭こうとした時、例の抜けやすい栓が災いして、2/3ほどを床に飲ませてしまったんです!
なんともったいないことをしてしまったんでしょう。
早速、次の機会にもう一度ピュアモルトのブラックを買いましたよ。ブラックニッカスペシャルなんかも一緒に。
天使の話、いいじゃありませんか。
本当はそういう人に分けてあげた人の心が天使なのですよ。
只野乙山
URL
2013/02/06 13:56
乙山先生 コメントありがとうございます。

先走って記事にしてしまいました。
どうかご容赦を。

でもピュアモルトの栓は抜けやすいですねぇ。
途中もう少し粘ってくれたらいいのに、「ポコン」と抜けてしまうのは何とかしてほしいです。

乙山先生も天使に分け前を取られてしまったのですね。
実は私もフロム・ザ・バレルのニューボトルを仕入れたのですが、注ぎ方が悪くて結構な量を床に飲ませてしまいました。
一瞬腹ばいになってすすろうとも思ったのですが…。

そんな天使とはほど遠い親父のブログですが、今後ともよろしくおつきあい下さい。
Nori
URL
2013/02/06 14:51

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