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zoom RSS 蓄積される快感 ニッカ 余市10年

<<   作成日時 : 2013/05/28 07:00   >>

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国産のシングルモルトは非常に高価である。
幾らウィスキーが好きだからと言っても、財政出動可能な額には限度がある。
とはいえ漢(おとこ)には、いずれ通らなければならない道というものが有る。
今まで黙っていたが、ただ徒にウィスキーを飲んでいた訳ではない。歴とした目標が存在する。

それは何時の日か『ロイヤル・ハウスホールド』を飲むという目標である。
まあ今でもかなりの無理をすれば飲めない酒ではない。しかし、目標までの最短距離を選ぶだけが人生ではない。歳をとったなりに寄り道をするのも又楽しからずや。
実は寄り道が主目的だったりするのだけれど。
画像
今回はその一歩とも言うべき一寸だけ高価なウィスキーを買った。
実はピュアモルト・ブラックに再会した時から、シングルモルトの余市を飲みたくて仕方がなかったのだ。躊躇していた最大の理由がその値段にある。
竹鶴12年が2本買えてしまうのだから、なかなか手が伸びなかったのも宜なるかな。

色は薄めの琥珀色。甘く上品な香り。その中にしっかりピートの香りもする。
飲み口はとても滑らかだがコクが非常に厚い。麦由来と思われる甘さがじわじわと高まる。山のピークは高い。スパイスが来てからも甘みは山を登り続ける。
後口に残る若干のビターは非常に心地よい。

ほんの少しだけ加水してみる。眠っていた香りが立ち始める。甘さの中に木質的な香りがある。フルーツの香りもする。
余市と言えばヘビーピートと思われがちだが、甘い香りと上手くバランスされている。
ピート香好きな人には少し物足りないかも。だが、アイラモルトを好んで飲むような私でもとても良いバランスだと思う。

甘みの山の頂上は高く、そして非常に重厚な味わい。スパイスは柔らかく非常に滑らか。
飲み進めると果汁様の甘みも感じる。そして他の国産のものには無い塩気もある。スパイスの山はとてもなだらかで、ゆっくりと引いていく。その後から来るビターもあくまでもひっそりと。
後口のバニラ香も強くなく非常に上品。香ばしい余韻が舌の上に残る。

ニッカの酒は飲み始めの印象より、ある程度飲み進めた方が旨い場合が多い。
甘みや芳香が舌の上に蓄積されてとても幸せな感じとなる。
ニッカが好きな人達は、この感覚がたまらなく良いのだろうと想像する。
斯くいう私もそれにハマっているのに相違ない。

常飲するというのは価格的な問題から不可能であるが、ごく希に時間があって良い酒を飲みたい時にはこの上ない酒だとおもう。

だが、後を引く味の酒だから注意しないといつの間にかグラスが空に…。 




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コメント(6件)

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こんにちは! ロイヤルハウスホールド、一度は飲んでみたいものですね、乙山も憧れています。たしかジェームズ・ブキャナン社から出ているものと思いますが、同社から昔〈ストラスコノン〉という瓶が出ていたのです。どうしても飲みたい、と思っているうちに終売となり、幻の酒となってしまいました。

今回は〈余市10年〉ですね。ううむ、想像するに旨いでしょうね、記事を拝見して飲みたくなりましたよ。いつもながら丁寧なテイスティングに感心しています。乙山はもっともっと低いところから裾野を広げて(?)いくことばかりです。
只野乙山
URL
2013/05/28 11:17
乙山先生 コメント有り難うございます。

今回はちょっと無理をしてこの酒を買いました。
穏やかで香り高くて重厚なコクの旨い酒でした。
ただ、国産のシングルモルトはいずれも高価で、なかなかリピートしたり常飲したりは難しいです。
勿体ないのでチビチビと飲んでますが、それが真価の分かりにくい一番勿体ない飲み方ではないかと…。

ロイヤルハウスホールドはゴールなので、出来うる限りの遠回りをして到達しようと目論んでます。
そこに行くまでの過程をゆっくり楽しもうと。
Nori
2013/05/28 18:57
あこがれ・・・

そんな言葉に表象されるお酒は幾つもありますが、この余市はその中の一つ。

何時かはきっと・・・いつかはきっとと思いつつ、幾星霜・・・

私も少々無理は必要かな?
三友亭主人
URL
2013/05/28 22:58
三友亭主人さん コメント有り難うございます。

私の場合という限定の話なのですが、理想とか憧れとか、そう簡単に実現するのはつまらない気がします。
あくまでも「いつかは実現してやるぞ」というモチベーションが大切だと思います。
だからロイヤルハウスホールドをあげていますが、回り道が主目的なのです。
いわば最後の晩餐まで楽しみは取っておくのが楽しい気がします。

長州藩が年頭の主君への挨拶で「徳川を倒す準備が出来ました」と言うのが仕来りだったのと似たような感じかなと…

その実、色々な酒を飲みたいだけなのかも知れません。
Nori
2013/05/28 23:28
こんにちは。この余市10年は工場にて3度目の試飲でした。
改めて味わってみると、ピートがしっかり利いているのはこれまでの印象と変わりませんが、ボディの厚みと出しゃばらない甘み、そして少しの加水で心地よい潮気も感じられました。
有り体に言うとノンエイジの特徴を更に深くした感がありますが、6年ほど前に初めて呑んだ頃は、ただスモーキーフレーバーに構えていた記憶があります。

Noriさんの仰るように、ニッカは飲み始めの印象よりも飲み進めたほうが旨い、というのが分かる気がします。
尤も、自分の場合は(あまり慣れていない頃の)第一印象よりも、多少は舌の肥えた?今、回を追う毎に気づかされる味わい、という意味においてをや・・・。
つっち
2015/07/11 11:54
つっちさん コメント有り難うございます。

確かにこの酒はボディの厚みを感じられる、そして個性的で旨い酒ですよね。仰有る様にノンエイジのものが熟成したらこうなるというのも見て取れて、面白い酒でもあります。
余市シリーズの年代物は終売となってしまいますし、今の内に飲めるだけ飲んで置いた方が良いと思います。

これから暫くは少しニッカの個性が薄い酒を飲まなければいけなくなる時期が来ますが、再販に備えて色々な酒を経験しておくのも悪くないと考えています。

つっちさんの様に工場に行ける方が羨ましいです…。
Nori
2015/07/12 08:40

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