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zoom RSS 清水の舞台から… ニッカ 竹鶴17年

<<   作成日時 : 2014/12/13 07:00   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 11 / トラックバック 0 / コメント 14

この間奥様が大切なグラスを割りやがった経緯を記事にした。
私が憤りの余りにテイスティング・グラスを買った事は以前の記事の通りだが、怒りの余勢を駆って同時に少し高価な酒を買ったのだった。
それがこの『竹鶴17年』である。

憤りの余りに買ったにしてはちょっと中途半端な感じがしないでもない。
有り体に言えば私の持っている小遣いの中での上限だったからでもある。例えばこれが奥様の握り込んでいる給料から捻出されるのであれば、私の宿願である『ロイヤルハウスホールド』を何の躊躇もなく買っていただろう。
自爆は漢(おとこ)のロマンではあるが、冷静に自爆スイッチを押せるのがカッコ良い大人というものであろう。
画像
そんな事とは別に以前からこの酒を飲みたいと思っていて、この際だから買ってしまおうと言う算段だった訳である。まあ実のところこの酒とは初対面ではなく、バーで何度かは飲んだことはあったのだ。だが時間を掛けて色々な変化を楽しみつつ飲むというのは、バーなんかでは中々難しい事でしてな。
一杯の酒で長時間粘るなんて、店の迷惑以外の何者でもないでしょ。

この酒は余市蒸留所と宮城峡蒸留所のモルトをバッティングしたものだと言うことは周知の通りである。そして『ワールド・ウイスキー・アワード2014』のブレンデッドモルトウイスキー部門で、なんと世界最高賞を取った酒でもある。
などという蘊蓄は控えて、細かい話は抜きにしてゆっくりと味わうべき酒かなと。
本当に凄いことですけどね。
まあ最近徒にブログの文章が長くなってきて、少し反省をしているところでもある。世間で話の長さと内容の濃さは反比例するものらしいから。
身近にある組織のリーダーにも言いたい事なのだけれど。

色は綺麗な琥珀色。酒齢の古さを感じさせる色味である。香りは甘さを伴う樽の香り。少し香木様の香りもする。そして柔らかな煙の匂いも。
口に入れた瞬間から木質性の芳香が広がる。甘さの山はそれほど高くないが、複雑で厚みのある味わいである。スパイスは相応に感じる。だが舌を刺す訳ではなく、ほどほどにスパイシー。刺激についてくるビターと渋みは心地よいもの。いずれも樽からきたものであるのはよく判る。余り派手ではないが余韻の芳香が続く。

何時もの通り若干の加水をする。木質性の芳香の陰に隠れていたピートが顔を出す。樽とピートと煙のバランスが良く、匂いだけを楽しむというのもアリかな。飲んでみてもこの香りはずっと続いて、「寝かせた良い酒を飲んでるなあ」という実感がある。
飲み口の甘さは最初から少しビターを持っていて、柔らかいリコリス(甘草)の風味から良く焙煎された麦の風味もある。余韻には派手ではないバニラと木の香り。そして引き際に潮の風味。
色々な風味が一度に感じられて、実に豊かな感じのする旨い酒である。
画像

そして飲み進めるうちに舌の上に甘みや芳香が気持ちよく蓄積されるのは、これまたニッカの個性である。いやいや、とても気持ちが良い。
ゆっくりと飲むのが楽しい酒でもあり、反面すぐにグラスが空になる酒でもある。
考えてみれば余市10年との価格差もあまり無く、12年ものもそうだったけれども、非常に費用対効果の高い酒だとも言える。

グラスの時の記事にもしたけれど、清水の舞台から何回もダイブしたというのも値段だけのことではなく、一度良い酒にハマってしまったら抜け出せなくなることを知っていたからなのだ。
これで後戻りの出来ない道に一歩踏み込んでしまった訳だ。

しかしこれを常飲する甲斐性が私にあるや否や?
そんな色々な課題を忘れてしまう位に、後を引く旨い酒である。

とか言って、もうこんなに飲みやがったか…。






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コメント(14件)

内 容 ニックネーム/日時
こんにちは。
竹鶴17y、ご購入ですか。すばらしいですねぇ。
味わいも経歴も素晴しく薀蓄も充分、ロマン溢れる酒ですね。
私は、17yは未経験です・・
買い溜めた竹鶴12yを時折封切しチビチビ消費するのが精一杯。
折しも賞与シーズンですが、エンシェントクラン、リチャードソン、ホワイトホースの一気買いが精一杯の冒険で(笑)

このインプレを読み来年は是非、と思いました。
みりとも
2014/12/13 10:24
みりともさん コメント有り難うございます。

竹鶴12年を買い溜めしてあるのですね。何とも羨ましい。
ウチの12年はもう半分を切っていまして、いつも飲もうか飲むまいか迷いながら見つめるだけになっております。

この酒より12年ものの方が華やかな感じがします。
こちらは樽の香りが高い、少し円熟味のある酒といったところだと思います。
値段的にも余市10年とほぼ同価格帯でもありますし、17年ものとしたら手に入りやすい部類に入るのではと。

実は仰有るように賞与支給前だから買ったという事でもあるんですけどね。
この他にちょびっとだけ良い酒を2本ほど買い込みました。後日記事で報告したいと思います。

この時期だけはいつもより少し良い酒を飲みたいのです。
Nori
2014/12/13 14:17
竹鶴17年は12年から5年の歳月がこんなにも味に深みを与えるのか、と熟成について教えてくれるような良いお酒ですね。価格の上昇もそこまでではありませんし。
難を言えば少し見つけづらい事ぐらいでしょうか?そのせいで見かけるたびに確保しておかないと…!と衝動買いの欲求と戦うハメに陥っておりますw
ひととき
2014/12/13 18:36
ひとときさん はじめまして。
コメント有り難うございます。

この酒は本当に熟成という事を教えてくれる良い酒ですよね。華やかさが少し大人しくなって、樽由来の芳香が立った円熟味が楽しめます。
確かにこの酒から上の年数のものは量販店でも別の棚に上げられてしまい、他の酒と一緒に並べられてない事が多いから見つけ辛いのは判ります。
私の行くスーパーにはごく普通に並べられてるんですよ。それも『響』や『鶴』の古いのと一緒に。
ちょっとビックリです。

しかしこの酒を常飲されているというのは凄いですねぇ。
私の常飲しているものはこれより1ランク下のもので、もっと色々な酒を飲んでみてから、上のランクを目指していこうと思っています。
Nori
2014/12/13 23:01
これはこれは・・思い切りましたな。

私も年末年始に飲む一本だけは、ちょいと貼りこもうかなと思っているのですが・・・・年に一本の贅沢だけに、どれにしようか・・・迷っちゃいます。
三友亭主人
URL
2014/12/14 07:48
三友亭主人さん コメント有り難うございます。

普段飲んでいる酒より倍以上の値段がするものですから、当然色々と葛藤はしました。
まあ奥様がグラスを割りやがったから思い切れた訳です。

この時期は少しだけ懐が温かいので、色々私も迷う事が多いです。一番飲みたいもの…と考えると余計に雑念が生じたりしますね。
最近は私が酒販店で長考に入る為、奥様もお子様も付き合ってくれなくなってしまいました。

家で飲むときもウィスキーを飲むのが私だけだったりしますので、少し孤独を感じたりしています。
Nori
2014/12/14 08:12
こんにちは! 思い切った買い物ですねえ! ですが、たまには飛び切りいい酒を飲むのもいいじゃありませんか。乙山もあまり高いものは買えませんが、ある必要から、今年は少し高めのものも試していくつもりです。
只野乙山
URL
2014/12/14 09:49
乙山先生 コメント有り難うございます。

年末で使ったお金の補充が出来る事を見越しての、謂わば狡い買い物をしてしまいました。
家に良い酒があるときの幸福感というのは得がたいもので、なにか出費以上のものを手に入れた感覚があります。
まあそれほど高価な酒というのでもありませんが、私の身代にあった程ほどのものかなと。

記事にもありますが、余り背伸びをして後戻りが出来なくなっても辛いので、今まで通り1000円スコッチ探しの旅も続けていきたいと思ってます。

今まで5本に1本は少し高めの酒を…と思っていたのですが、この値段の酒だと50本に1本位になると思います。
今回は母港からかなり遠くに来たなぁという感じですかね。たまには母港に帰らないと永遠に放浪してしまいそうなので。
Nori
2014/12/14 10:55
大蔵大臣がいる環境だとなかなか買えませんね。
いまだ一人寂しい私は、ワイフの代わりに高い銘柄を買いあさって慰めてもらっています。

結局竹鶴17年も、今年の会社の納会で1本差し入れ、レビュー用で1本、WWA受賞記念ボトルをもう1本買ってしまいました。

いやぁ、本当にコスパが優れすぎているお酒です。原酒が足りなくなりつつある今において大丈夫かと心配するくらいです。

私もまだまだ1000円台のスコッチで飲んでないものが数多くあるので、来年はそれらにも積極的に手を出していくつもりです。
RERA
URL
2014/12/28 23:39
RERAさん コメント有り難うございます。

私の使える小遣いには限度がありますので、この酒はそう度々買うという訳にはいきません。
このレベルの酒に慣れてしまうと他の酒がどうしても霞んでしまうことは判っていますので、ごく希に飲む様にしているという感じですね。

1000円スコッチも慣れると細かな機微に気付きやすくなりますし、微妙な喜怒哀楽のある侘び寂びの世界に入ることが出来ます。
でもあまりそればかりだと、飲むのが楽しくなくなったりするんですけどね。
Nori
2014/12/29 11:09
今までストレートでのみ飲んでいました。
竹鶴17年は…
飲んで「賞を取った割にはこんなもんか…」とがっかりしましたが昨晩ロックで飲んで旨さを実感できました。
アノ味の差って何なんでしょう?体調も影響するのかな〜

今のキングスランドは半分残したまま竹鶴17年に移行しましたが、キングスランドもひょっとしたらロックの方が旨く感じるかも知れませんね…
フェイク
2015/06/05 17:56
フェイクさん コメント有り難うございます。

この酒は若干の加水やロックで飲むと、色々な細かな機微が判りやすくなってきますね。
確かに華やかな部分が落ち着いている酒でありますので、そのまま飲んでも「それなり」という印象しか無いのかも知れません。

加水してしばらく置いていても印象が変わってきますので、ゆっくりゆっくり飲むのに適した酒なのではないでしょうか。
まあキングスランドも若干の加水の後、しばらく置くと印象が変わる酒でもあります。

酒の味は体調も大いに関係しますが、一度ちょっとだけ水を入れてゆっくり飲んでみて下さい。
酒の挙動もゆっくりになって、判らなかった香味が見えてくるのではないでしょうか。
Nori
2015/06/06 08:52
こんばんは!今更年始のことに遡りますが、自分への褒美とばかりにこの竹鶴17年を味わってみました♪
樽香とスモーク香の具合、ほどよいスパイスと円熟したビターを伴った甘味の塩梅が抜群ですねぇ。
その際、数年前から偶々残っていた竹鶴12年と呑み比べたら、12年の華やかな香と、17年の主張を抑えたような燻し銀のほのかに潮を感じる対比が面白かったデス(^-^)
次に味わうきっかけはいつかな〜。

追記:「あの雷鳥」の件につき、気遣いありがとうございます。
一晩でウイスキーのボトル半分空けるなどという飲み方は自分の尺度では普段決してしないのですが、3が日の開放感と味わいの好みが相まって、気づいたらあの様でした・・・幸い酩酊せず、翌朝もつつがなくスタートできたのは、醸造酒ではなく蒸留酒ならではの功名と感じいりました。
つっち
2016/01/17 02:51
つっちさん コメント有り難うございます。

仰有る様にこの酒は華やかなものは抑えてありますが、その代わりに円熟した樽の風味が味わえる旨い酒です。
確かに12年物と飲み比べると、その熟成度がよく判って「寝かせた酒」の良い部分が感じやすくなりますよね。
「燻し銀」という表現がぴったりと当てはまると私も思います。

このクラスを常飲すると安価な酒に戻る事は出来なくなりそうで、私も後生大事にチビチビとやっております。
にも関わらず、知らず知らずにグラスが空になっている事が往々にしてあるのは困ったものです。

まあ旨い酒はついつい減ってしまうのは仕方のない事で、自制心の薄い私も気が付けば…という事が間々あります。
他人様はそんな私の事を『かっぱえびせん体質』と呼んでるんですけどね。
Nori
2016/01/17 11:17

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