この辺りの者でござる…

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zoom RSS 知らない事を威張る人たち

<<   作成日時 : 2016/02/01 07:00   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 3 / トラックバック 0 / コメント 2

歳をとると気が短くなると世間では言う。
確かに時折私より年上のオッサンや爺ィが、いきなりキレて怒り出したりする様子を目撃する。まあ、これには土地柄もあって、大阪南部辺りで良く目にする光景なのだけれど。
ただこれは態度や言葉に表すのが常の人達が多いだけであって、心中怒りをかみ殺している老人達はそこここに存在している筈である。

我が身を振り返ってみれば、世間に逆行してドンドン気が長くなっている様で、最近は色々な事象があっても「まあこんなモンか」で終わってしまう。昔と比べてこだわりというものが無くなってきたからだろうとも思う。
これぞ融通無碍の境地。

そんな昨今ではあるがちょっとだけ腹の立った事、というか私憤と言うより公憤に近い感情があった事を少々。
たまには愚痴りたいのですよ。
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私の周囲を見回すと日本の人口のボリュームゾーンを占める人達ばかりである。所謂定年を迎えて趣味の世界に入り始めた人達。
そしてその方達が進む方向の多くが『歴史』であって、今までかなり無神経に扱って来た自身と郷土について調べたくなるものらしい。という訳でどこを向いても『郷土史家』の百家争鳴である。石を投げたら郷土史家に当たる。

そういう訳で仕事柄そんな人達と会う機会も多く、従って話をしていて全く通じなかったり頭を抱える事態が最近増えている。日本史の基本常識くらいは知っとけっての。
例えば郷土史には中世武士団の形成過程を知っておく必要があり、兵農分離についても最小限知っておくべきである。他人様にものを尋ねる前に理解するべき最低線でしょう。

日本史の初歩の初歩の話だけれど、日本は基本的に公地公民であった。それが有名な『三世一身法』や『墾田永年私財法』から私有が認められる様になった。
一方弥生期の環濠集落からも判る様に、当時の主産業であった稲作は大勢の人間がいないと成立しないものであって、当然その区域には相応の人間が住んでいた訳である。
そしてその土地から上がる収穫より税が徴収されるのだが、公の田地であるより貴族や有力寺社の荘園である方がワリが良かった為に、土地を献上する名目で節税をする地主たちが多く出る様になる。
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当然お役人がその土地に侵入して税など取らない様に『不輸権』と『不入権』が認められ、国司などとの間に紛争が多発して各々が武装する様になる。これが『武士』の濫觴である。
と言う話をしたところで「それは誰が言ってるんですか」と。
そして「どこかの大学の先生が言ってるんですか」と。

これは6人ほどのオッサン達が集落内に同じ名字が多い理由を調べに来た時の話なのだ。
私の所へ来るまでに寺の過去帳などを漁って来たらしいが、その過去帳というものの成立年代もお判りでは無かった様だ。そして自分たちの出自を有力寺社に求め、そちらの高位の方と直截的な関係であると決めてかかっていた。何より決定的だったのが、彼らの言う『昔から』というのは、どんなに古くても江戸期より上らなかった事。
まあこの時点で既にお話しにならない状態なのだが。

自分の親や祖先を今まで蔑ろにしてきた事が言葉の端々から窺え、ルーツなどを本気で知りたいならもっと祖先を親を敬えと先ず思ってしまったのである。
そして先人達が調べてきた史料を熟読して、然る後に判らない事を他人に聞くべきである。誰でも自分たちのために労力を使ってくれると思ったら大間違いだ。
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最初は丁寧に対応していたのだが、途中から余りの聞き分けの無さに匙を投げた。
そして「高校の教科書にも載っている事なので」と突き放してから、もう少し自分たちで研究を進めてはどうですかと『不勉強だ、馬鹿』という意味を込めてお話ししてお別れした。

その後地元で出した会報の様なものを送ってきた。
少しは判ったかと思って見てみれば、結局訳が分からなかったらしい。

今はこの程度の人達が歴史を語る事の恐ろしさを感じている。




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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
いやあ・・・耳の痛いこと、痛いこと。

私なんぞは「知らないこと」をいいことに、いい加減なことばかり好き放題に書き散らかしていますからねえ・・・

でもそんな私の文章がいいかげんな方向に行きすぎるとちょちょいと突っついてくださり、いちいち丁寧にコメントくださっているNoriさんには、本当に感謝しきりです。
三友亭主人
URL
2016/02/04 23:02
三友亭主人さん コメント有り難うございます。

いやいや、こちらこそ何時も研究されているお姿を拝見して「私ももっと勉強しなくては」と感じておりまして、私に足りないのは現地に行って地勢を見る事だと反省をしております。

私がこの間応対した人達はあやふやにイメージしたストーリーを持っていて、それに沿った話しか受け容れないという人達でした。だから「それは違うよ」と言うと、「大学教授くらいの人が言った事じゃないと」と返答する訳です。
そして彼らがやった事は寺の過去帳をちょっと調べた事と、ドライブマップ程度の地図をなぞった事だけでした。

最近はネットという便利なものもあるというのに、それで調べる事もなく地元の学校の先生にも聞きに行ったと言う事でして。
その先生も「もっと勉強しろ」と言った様なのですが、何も勉強しないまま私の所へ来たようです。

先人の残した資料を読むなり、他で研究している人を探すなりは一切する事もなく、ただ「人に聞けばいいや」という態度だったから匙を投げたような次第です。

でももっと酷い場合だと怒った様にやってきて、間違いに気付いた途端「ゴメン」も言わずに帰る奴もいるんですよ。
なので少し閉口気味なのです。
Nori
2016/02/05 08:35

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