この辺りの者でござる…

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zoom RSS あくまでも自己研鑽

<<   作成日時 : 2016/07/12 18:00   >>

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前回の記事で日吉大社に行った事は書いた。
そして関係者の目を盗む様に『抜け参り』を敢行していた私であったが、少しばかり気を抜いた時に関係者とバッタリ出くわしてしまったのだった。
私の財布から福沢先生が飛び去っていく姿が脳裏をかすめ、背中にイヤな冷たい汗をかきつつ表情はニコニコして彼に近付いた。外見上は非常に穏和に「やあ」と言って手を上げながら。内心「くそー」と思っている事をおくびにも出さず。
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彼はスーツ姿の私を見て「滋賀でお仕事ですか?」と聞いてきた。
「うん、近くまで来たのでフラっと修復の様子を見に来たんだけどね」と少し言い訳じみた返事をする。彼の表情から察するに「こいつ他人のトコに来るのに、手土産一つ無しかよ」という気がチラホラあるような。それを知らぬものの様に「お参りした後でお供えをさせてもらうよ」と応え、東本宮の楼門をくぐり御本宮に参拝した。その間背後からの視線をずっと感じていたのは言うまでもない。

私が下がってくるのを待っていたかの様に(というかずっと待っていた様だが)彼が近寄ってきて「お茶でもどうですか」と。これは非常にマズイ流れだ。このまま行くと一杯ン万円のお茶が出されるパターンである。
私も大人であるからして笑顔で「先に山の上にお参りしてから頂くよ」とやんわりお断りして、山上までの所要時間を聞いた。「20分くらいですかね、往復で40分かな」と言ってから「後で寄って下さいよ」と釘を刺してきた。
「うん、必ず」と既にトンズラする算段を整えながら、ニコニコと笑顔で答えた。
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周知の事だろうがここの主祭神の西本宮は西側にある日枝山から現在地にお遷りになっていて、日枝山(ひえのやま)から比叡山と呼ぶのである。つまりは叡山の地主神。
対して東本宮の神様は牛尾山(八王子山)から現在地にお遷りになったもので、そこには磐座と思われる巨岩と二社並立の社殿が建っているのである。そしてその三宮社と牛尾社にお参りしようと。
というのももう1箇所行きたい場所があって、そこへ行くには時間が1時間ほど早かったのである。

そんな不純な動機はさて置き、一番の目的である自己研鑽と建造物拝観のために山に登る。それもスーツに革靴というある可からざる恰好で。途中すれ違った山歩きの爺ィからの「山をナメるんじゃないよ」という視線を受けつつ。
この山道は普通の参詣道とは違い、山を切った時に出た大きく角張った石がゴロゴロしている。確かにスーツと革靴では場違いである。正直に言うが、件の彼が「フツーに登れますよ」と言った言葉を「ぜってーウソだ」と思ったのは一度ではない。
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とは言え普段から伊達に自転車に乗っている訳ではない。息は切れるが座り込む事もない。前日に調子に乗って飲んだウィスキーを呪ったりはしたが。
山頂に着いてみると極めて絶景である。眼下に琵琶湖や坂本の町、そして遠くには我が祖先に縁のある三上山も見える。急な石段の上には目的地の巨岩と立派な社殿。登ってみて良かった。ただ山頂にいたトレッキング爺ィから「そのカッコで来たの?」という目で見られたが。

この三宮社と牛尾社は懸造(かけづくり)といって、山頂等の狭小地に社殿を造営する場合に用いられる構法である。柱と貫(ぬき)を縦横に組み上げ、上部に台輪を置いてその上に殿舎を造る。まあ清水寺とか国宝の三仏寺投入堂なんかはその典型ですな。
ちなみにこの二社ともに国指定の重要文化財建造物である。
そして日吉大社の御輿は鳳輦(ほうれん)型の大きなものなのだが、それをこの山頂から麓の本宮まで担いで降りるという。普通の人なら間違いなく参加に二の足を踏むだろう。何でも話によれば怪我人が出るのはデフォルトであるらしい。
漢(おとこ)の祭ですな。
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という訳で無事に参拝を終えて下山し、入口にある受付に向かった。そこには『社殿修復奉賛受付』と看板が上げられているからである。そこで福沢先生何人か分の奉賛金を納め『神猿(まさる)さん』のファイルケースを頂戴して、次の目的地へ。
まあトンズラした訳です。比較的良心的なトンズラ。

次の目的地は門前の坂本の町にある登録文化財の建造物である。
ちなみにそこの名称は『本家鶴喜そば』という。
勘違いしてもらっては困るが、私は決して蕎麦を賞味しに行ったのではない。あくまでも自己研鑽と建造物の見学のためである。謂わば研修の一環として。
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そして建造物を内から外から存分に見学をして建築構法の機微を堪能し、知識の蓄積が出来た事の満足感と幸福感で腹一杯になり、本来の仕事である出張先に向かったのであった。

言わずもがなの事ではあるが、旨い蕎麦を存分に堪能した事による満足感も若干ながら有ったのは付記しておく。






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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
昔、ある方のお供と取材を合わせて、天台座主さんのところに行った時、(そのお座主さんのお寺、坂本でした)帰りに鶴喜に寄りましたな。いつのまにか、この文化圏とも縁遠くなってしまいました。
根岸冬生
URL
2016/07/14 18:03
根岸さん コメント有り難うございます。

仰有る様に坂本の町にある塔頭は、ある程度上位にお進みになった僧侶の方がお住まいになる場所らしいですね。
ある意味、本山内部での煩瑣な俗事?から距離をとる為だそうです。

御存知の様に鶴喜そばは色々な場所に支店があるのですが、一度どうしてもこの『本家』の建物を見たかったもので。
記事にある通り蕎麦はあくまでも副産物で、建物を見学したかったという建前です。

まあこの辺りは関西に住んでいても「行こう」と思わない限り、なかなか用事ついでに行くという事もありません。
今回は蕎麦のついでに…ではなくて、日吉大社の修復を見たかったからなんですけどね。
Nori
2016/07/14 21:55

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