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zoom RSS 木と甘さの融合 ベン・ネヴィス10年

<<   作成日時 : 2016/12/04 07:00   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 4 / トラックバック 0 / コメント 3

ウチにはお酒が売るほど有る。
奥様がボトルを買い込む私に対して発するイヤミである。
とはいうものの酒屋ほどの品揃えがあるわけでもなく、ましてやバーを開くほどの腕も才能も無い。以前から言っているように「旨い酒を飲みたい」という非常にプリミティブな欲求で飲んでいるだけである。
にしては途中で嫌になってそのままの酒も少なからず有ったりする。

1000円スコッチの丁半博打は結構楽しいものだが、希にウィスキーの味が全くしないものがあって、最後まで飲み切る根性が無くてそのまま放置されるものもあるのだ。
ただ酔っぱらえればいいというものじゃないんだぜ。
とイヤミを言う奥様に対して強く主張したい今日この頃である。

てな訳で今回は飲み残したボトルではなく、大事に仕舞っておいたボトルを記事にしようと。
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以前フォートウィリアムの所にも書いたが、この酒は西ハイランドにあるベン・ネヴィス蒸留所で造られた酒である。この蒸留所の立地はスコットランド最高峰である『ベン・ネヴィス山』の麓にあって、山の名を冠しただけではなく、水源地もオルト・ナ・ヴーリン(現地語で水車の小川)といい、この山に源を発する。

ベン・ネヴィス蒸溜所は1825年に『ロングジョン』で有名なジョン・マクドナルドによって設立され、早くから連続式蒸留器を導入し、モルト・グレーンの両方を製造出来る古参の蒸留所でもある。
これも有名な話だが1980年代には経営危機から操業停止と再稼働を繰り返し、近年ニッカがこの蒸留所を買収した。そして故竹鶴威氏はバブル景気に乗って買収したと思われないように、細心の注意を払って極秘裏に行動するように指示したという。
しかし事が露見した時には大した反対もなく、住民達にとても歓迎されたのだった。
ニッカのルーツがスコットランドにある事を理解してもらえたからではないかと、故竹鶴氏は回顧録の中で述べている。

色は綺麗な黄金色。結構クリアな感じがする。香りは甘い花の匂いの中に樽・煙・ピートの香りが混在する。私的には実に好ましい香りである。
飲み口は柔らかな甘さを先ず感じる。同時に樽由来の香りを伴った果実様のエステル香とがやってきて、僅かに酸味を帯びてくる。
甘さの山はそれほど高くないが、ピークから降りてくる裾野は随分と広い。裾野の端からスパイスがやってくるが、それほど熱さを感じない。心地よい辛み。このスパイスの裾野も同様に広い。
実にゆっくりした挙動で樽由来のバニラ様の芳香が残る。

いつものように若干の加水をする。一滴・二滴と加水すると香味の成分がよく判る。
先ほどのエステル様と樽の香りに、ピートと煙が自己主張を始める。よく焙煎された麦の甘み。その甘みが薄らいだ頃にフルーツ様の香りと酸味がやってくる。若干の潮も感じる。
スパイスも柔らかな挙動に変化して、甘い香りと樽由来の芳香が舌に残る。
実に旨い。
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ロックにするとより煙とピートを感じる。酒によっては変化のスピードが速くて、ロックに適さないものもあるが、この酒はゆっくりと変化するのでそんな飲み方にも適している。
総じてゆっくり飲むと非常に楽しくて旨い酒である。

私はこの酒を飲みながら「ウィスキーを飲むのって楽しいなぁ」と再認識しているところである。

だが少し前に例の手練れの仕入れ担当者がいるスーパーに寄って、また新たな1000円スコッチを見つけてしまったのだ。

買う前に「アレを飲んで、コレを飲んでから」と算段するのもまた楽しからずや。





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コメント(3件)

内 容 ニックネーム/日時
幾つものボトルが並んでいる姿・・・羨ましいですね。

あれを飲もう・・・これを飲もうという算段は、私のように1本を飲みきってしまってからしかつぎのものを買わない人間はこういった楽しみができません。
三友亭主人
URL
2016/12/09 09:21
三友亭主人さん コメント有り難うございます。

ウィスキーは蒸留酒とはいえ、開封してから若干の変化を起こしますので、ホントなら開封したら飲み切るのが味の変わらない飲み方なのだと思います。一方で開封してしばらく置いてから風味の変化を楽しむという飲み方をする人も居ます。
具体的に言えば時折感じる潮気などは、しばらく置くと落ち着いてくるようです。

問題はしばらく置く間に飲む酒がないと困るので、若干前倒しに次のボトルを買っておくというサイクルなんですね。

というのが私が奥様によくする言い訳なんですけどね。
Nori
2016/12/09 10:17
ナイショのコメント主さん コメント有り難うございます。

いやぁ今年は私も色々とありましたので、ブログもこんな状態になっている訳です。
確かに乙山先生の事やら記事にあります愛車がぶっ壊れた件やら、怖い役所との折衝やら大波小波が押し寄せてきて、多事多難な1年でした。

酒も味わいブログも書き、心は平安とまでは行きませんが何とかある程度まで落ち着ける環境になっております。

今回は非公開でしたが、お立ち寄り頂いたことを大変喜んでおります。お身体もご健勝の様子で安心致しました。
余り遠慮せずにコメントを頂ければ幸いです。

ちなみに1000円スコッチの件、ビンゴでした。
でも記事に出来るのはもっとずっと後なので、全然大丈夫ですよ。
そして感想もとても参考になりました。
ありがとうございます。
Nori
2016/12/10 18:00

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