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zoom RSS 刺激的な芳醇 ザ・ネイキッドグラウス

<<   作成日時 : 2016/12/25 07:00   >>

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剣道は礼に始まって礼に終わる。
少年の頃剣豪を志して剣道部の門を叩いた時に、先生から一番先に教わった言葉である。
相手に対してのみならず相手の剣にも敬意を払うから道なのであり、相手を叩くことにばかり心を置くとタダの棒振りに堕してしまう。
同様に今年のブログは更新遅延の言い訳で始まっているから、終わりも長考の言い訳で終わらせる。という訳にはいかないでしょ。

本来的な私の姿勢からすると、ウィスキーに始まってウィスキーに終わるべきであり、当然そこには酒に対する敬意が存在している訳であって、上記と同じくダラッと飲んで適当な感想を書き散らすだけではタダの酔っぱらいのオッサンに堕してしまう。
それ故真摯に、あくまでも真摯に酒を飲む。何も考え無しに漠然と飲んで居る訳では決してないのだ。
まあ奥様からしたら、決してそんな風には見えないだろうけれど。
と、そんな不平不満を含んだまま今年の締めくくりにはウィスキーの記事を…。
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今回のザ・ネイキッドグラウスはその名の通り、彼の『有名な雷鳥』の上位に位置する酒である。実売価格は3000円内外。ちょっとだけ高価。
この酒の製造元であるMatthew Glog & Son社は西暦1800年創業の老舗で、元々は食料雑貨店だったものがワインを多く扱うようになって店が大きくなり、三代目のマシュー・グローグ(代々同じ名を名乗るのかも?)がボルドーから帰国した時に、英国ではウィスキーブームが起こっていて、自社ブランドのウィスキーを発売する事となり『フェイマスグラウス』と名付けたのだった。
ちなみに雷鳥はスコットランドの国鳥でもある。

この酒のキーモルトは、同じくハイランドディスティラリー傘下にあるマッカランやハイランドパークで、そのほか40種ほどの原酒とグレーンがブレンドされ、天日干しされたシェリーのファーストフィル(貯蔵したシェリー酒を抜いた後の樽)に詰めて4年ほど寝かされたものである。

ボトルにラベルなどは貼っておらず、原材料と例の未成年に酒を飲ますなというシールのみ。ボトルに刻まれた雷鳥は一見凸だが、触ってみると凹になっている。

色は綺麗な非常に深い琥珀色。最初に感じる香りは木の芳香。その中に甘い果実様の香りを感じる。あまり派手で華やかではない。落ち着いた樽の香り。色から香りからシェリーバットを意識させる。しかし諄くなく良い感じの香りである。

飲み口は最初は柔らかな甘さ。ドライフルーツ様の甘さも感じる。口の中に広がる樽の香り。甘さの山はなだらかで、頂上に至る寸前にスパイスが来る。
スパイスは強めの山椒風味。熱さも感じる。古典的なウィスキーの感触。ビターが来るとカカオの香味が立ち上がる。セミスイートのチョコを食べた感じ。
その甘さが舌に少し残って、スパイスが弱まると渋みが来る。樽由来の渋み。渋味が舌の上で解けるとバニラがふわっとやってくる。実に旨い。
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いつものように少しずつ加水してみる。
さっきの香味の中に隠れた煙がほんのりたなびく。味に格段の変化は無いものの、香味成分のそれぞれが判りやすくなる。モルトの甘みと干しぶどう風味の甘み。その周囲に明確な樽香。少しの加水ではスパイスは弱くならないが、若干の落ち着きを見せる。

樽由来のビターと柔らかい甘さが気持ちいい。カスタードの風味も感じる。少し残念な焙煎の足らない麦の風味も感じるが、特筆してという訳でもない。渋みとバニラ香の塩梅も良し。
試しに加水してからしばらく放置してみると、スパイスが落ち着いて来て飲みやすくなる。
落ち着いてゆっくり飲むとその辺の機微が判ってなかなか面白い。

同様にロックで飲んでみても挙動がゆっくりしているので、氷の溶け具合を感じながらじっくり飲むには具合の良い酒である。
どう飲んでも同様に楽しめる旨い酒だ。

実のところもっと雷鳥がハッキリした位置、つまりはもう少し残量のある内に撮影したがったのだけれど、ついつい飲んでしまって写真の有様だったりしますがご容赦を。
普及版のフェイマスグラウスも値段のわりに良い酒だったが、この酒はその風味を保持しつつシェリー樽の個性を明確に加えた良い酒だった。これは今年の締めくくりになかなか良いチョイスだったと悦に入っている所である。
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という訳で多分これが今年最後の記事になると思うけれど、ベラボウに長い時間サボったにも関わらずコメントを頂いたお馴染みの方々、そして気持玉をクリックして頂いた方に御礼を申し上げます。
しかし何より一番有り難かったのは「慌てずゆっくりやりましょう」と声をかけて頂いたブログのお付き合いを下さっている根岸冬生さんや三友亭主人さん、そして薄氷堂さんとsleepyseaさんに深く御礼申し上げます。

来る年も同様にお付き合い頂ければ幸いです。

来年も何卒宜敷くお願い申し上げます。



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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
 さっぱり礼は心得ませぬが、ぼくの一年もウィスキーに始まり、ウィスキーに終りそうです。ときどき浮気はしても、必ずウィスキーに戻るぼくの場合、敬意というより友情に近いのかも知れません。

 上等ならば感涙にむせびながらいただき、中等はかたじけなく味わい、下等でも微笑とともにちょうだいするという、ほぼ悟りの境地に達したのではないかと思いますが、さて?……(笑)

 しがらみ多き世に生きるのはたしかに苦痛でありますが、ウィスキーさえあればそれに耐えられるばかりか、もう一日生き延びてもう一杯飲もうという意欲が湧いてくるのですから、これほどありがたいものはありません。

 どうかウィスキーに変らぬ愛情を注ぎつつ、新しい年をすこやかにお迎えください。
薄氷堂
URL
2016/12/28 22:22
薄氷堂さん コメント有り難うございます。

記事にあります通りウィスキーで今年を終わらせようと画策しましたが、身辺が例年以上に多忙でして、飲んでは眠り飲んでは眠りを繰り返しております。
折角の酒の途中の風味を味わえず断腸の思いであります。
まあ、それでも落ち着いた頃の味を楽しんでますので、それはそれで良しではないかと。

ちなみに報道で北海道の方は寒さが厳しい様ですので、呉々も御自愛下さいませ。
年の瀬で世間も色々とあわただしいようですが、どうぞ良いお年をお迎え下さい。

そして来年も御交誼の程を。
Nori
2016/12/29 16:05

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