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zoom RSS 技術者魂というもの 堀越二郎『零戦』

<<   作成日時 : 2013/08/24 23:00   >>

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最近文庫本を読まなくなってしまった。
本屋をウロウロして物色するのは好きで、休みごとに本屋と酒屋を彷徨い歩いているにも関わらずだ。読みたい本が無い訳ではない。今話題の本も読んでみたい。
ただゆったりと本に向きあえる状態ではなかったという事に起因する。

それでもウチにいる受験生と一緒に本屋に行く機会があった時に、ふと目にとまったこの本を手に取ったのだった。それはいま巷で堀越氏が脚光を浴びているからという訳ではない。
何しろ宮崎某という数寄者のオッサンの作った映画に登場しているのだから。

まあ宮崎氏は以前から戦闘機には多大な興味があったようで、ドイツの戦闘機メッサーシュミットを流用して作られた三輪自動車を所有して、時折ロングドライブにも出かけていたという事からもそれが察せられる。
画像
この本を買ったのは宮崎氏とは別の話で、以前から零戦開発のエンジニアの方々の事蹟に興味があったからである。
現に零戦のエンジン『栄20型』の設計に携わった中川良一氏に共感して、免許を取ったらいつかはスカイラインに乗りたいと思っていた。そして終には名車と言われたR32スカイラインを所有することとなった。その後子供が2人出来た時に余りに狭くて手放してしまう事となったが…。

取り敢えず書店に堀越氏関係の書籍が積まれるようになったおかげで手にする事が出来たのだから、全く映画のお蔭がなかった訳ではないので感謝は致しましょう。

この本は昭和45年に刊行されたものだから、その時代の空気を加味しながら読んでいかなければならないとは思っていたが、そんな斟酌を必要としないぐらい誇り高い技術者の魂というのが読み取れる。

開発当初から海軍省の不可能とも思える要求に正面から取り組み、高い次元での技術の整合性で世界最高峰の戦闘機を作り上げた。
その過程の中で途轍もない苦労と独創的な発想でハードルをクリアしていく様子に、時間を忘れてのめり込んでしまった。
ご本人は淡々と時系列に沿って事実を述べておられるだけなのだけれど、それがかえって当時の姿を生き生きと蘇らせてくれる。

その中でも零戦の初陣から終戦に至るまでの栄枯盛衰には、技術者の誇りと自信そして失われていった人々や飛行機に思いを致す複雑な心情を窺い知れて興味深かった。
以前の記事にも書いたが、私には元々技術者と対話の出来る様な製品に心を惹かれる性癖があって、この本にはそんな宝石がちりばめられていて気持ちのいい読了感を得る事が出来た。

欲を言えばこの本が書かれた1970年代という時代ゆえに、零戦の連戦連勝ぶりについては至極あっさりと書かれている事が残念だ。
もっともっと零戦を自慢したかったのだろうけど、それがしにくい時代だったようにも思う。

周知のことだが、戦後アメリカに日本の航空業界は決定的に分解された。
しかしその中でも堀越氏が戦後設計に携わった国産旅客機YS-11に乗る事が出来たのは貴重な体験だったと思える。

そして東大の宇宙航空研究所に薫陶を受けた技術者達がいると思うと痛快な気持ちもする。





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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
>本屋をウロウロして物色するのは好きで

私も本屋さんは大好きで・・・何時間もふらついています。
けれども・・・購入するのはまれで・・・

最近文庫本どころか活字を見ること自体がしんどくてねえ・・・それもこれも老眼のせいで、こうやって皆さんのブログを拝見するときでもブラウザの機能を使って文字を1,5倍に拡大して読んでいるのですから・・・本屋で立ち読みするにも老眼鏡は必需品。そして・・・メガネをすること自体私の人生では早々機会のなかったことですから抵抗感があり・・・ということで・・・ますます学問は遠ざかるばかり・・・

何とかしなくっちゃいけないのですがねえ・・・
三友亭主人
URL
2013/08/25 09:07
三友亭主人さん コメント有り難うございます。

文庫本の文字が小さいのは辛いですよね。
私も掛け慣れない老眼鏡を使っての読書になりますので、不便この上ないと思ったりしています。
眼鏡を掛けると寝転んでの読書が出来ないと言うのが一番厳しいところで、何度もゴロゴロと差し支えのない姿勢をとるのに一苦労です。

外食のメニューなんかもなかなか読みづらくなってまして、一緒に行った家族に笑われています。
奥様は以前から近眼なので眼鏡を掛け慣れていますから…。

腹いせに「眼鏡なんか掛けてると格好悪いだろ」と言ってやりますが。
Nori
2013/08/25 11:01

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