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zoom RSS 煙と芳香のバランス ボウモア12年

<<   作成日時 : 2013/10/29 07:00   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 4 / トラックバック 0 / コメント 8

縁というのは不思議なものである。
同じ場所でも行くつもりが無いのに行かねばならない時もあれば、行きたいと希求したところで何らかの支障があって行けなかったりする。
そこに介在するのが『縁』と言うものではないだろうか。言い方を変えればタイミングとか。

そんな訳でいつもの酒屋へもスーパーへも足が遠くなってしまい、3,000円以上送料無料という通販に頼る事になっている。まあ、値段もそこそこ安いから何の不自由もないんだけど。ただ1000円スコッチを買うのに通販もなあ、という感じがするのも事実ではある。
正直な話、ここしばらく飲んでいた酒は1000円スコッチばかりだったので、少し高い酒を注文したかったのだ。若い酒も良いが、たまには寝かせた酒が飲みたくなる時がある。

この間はスペイサイドの代表でマッカラン10年を飲んだから、メジャーな路線と言う事とラフロイグが残り僅かになった為にボウモア12年をオーダーしたのだ。アイラモルトを切らさないというのが我が家の家訓でもある。

ボウモア蒸留所はアイラ島にある蒸留所の中で一番歴史が古く、1779年に創業したと伝える。アイラ島にある蒸留所の多くが海に面した立地であるが、ボウモアも島の西部の港町である。ラベルに描かれた絵にも海。であるが故にピートに多くの海草が含まれ、独特のヨード香を生み出すのだ。
と、まるで判ったような物言いをしているけど、ホントに判っているかどうかは怪しいものである。
画像
ラフロイグはワザとアイラモルトの個性を強調するような造り方をしているが、ボウモアは多くのスコッチと共通するような造り方をしている様である。何が違うかと言えば、代表的なものとして樽が違う。バーボン樽とシェリー樽の違い。
その結果これほど風味に違いが出るのは面白いものである。

色は濃い琥珀色。シェリー樽の特徴だと言えばそんなものかな。
香りはピート香の中に華やかな甘い香り。ヨード香は余りしない。確かに正露丸風味のラフロイグより柔らかい感じはする。
飲み口は柔らかく、先ず甘みが立つ。その甘みがメープルシロップに変化して、ビターが立ってくるとリコリス(甘草)風味になる。苦みの中には渋みも感じられる。これは樽由来のものだろう。スパイスは余り強くない。非常にまったり。
余韻は結構ハッキリしていてバニラの風味が残る。

いつものように若干加水して様子を見る。日本のウィスキーに比べてヘビーピートだが、華やかな香りとのバランスは良い。ちょっとだけ余市10年の印象と重なる。
口に含んで遊ばせると先ず感じるのは甘み。山はさほど高くないがゆっくりと高みに向かう。と同時に色々な複雑な香りを感じ始める。甘さ控えめのクッキーの様な感じがするのは、まったり感があるからだと思う。そして程なくビターがやってきて、その後にスパイスが来る。挙動は早めだが、味の区分はハッキリと分かれていて非常に判りやすい。
そして強めの余韻。先ずバニラの風味を感じるが、引き際に馴染みのある香りに変化する。

これは一種『山崎』にも共通する感じがする。サントリーが親会社だからという先入観に由来するものではない。だが、シェリー樽貯蔵の酒に共通するものとは別の印象。
全てが引いた後に若干の潮気。やはりアイラモルトの個性は感じる。

聞くところによればサントリー買収前のボウモアは、もっと個性的で香りも独特のものであったらしい。生臭かったり色々な異臭を感じたり。それが良いという人も結構な数存在していたようである。
でも察するにそれは余溜臭を含んでいたからに違いない。

なんでもサントリーが買収する直前では、長い間の資金不足が祟ってシェリーバッドの入手も難しかったという。それ故に使用済みの樽を使い回していたとも聞く。
前回の酒の記事でも触れたが、余溜臭というのは樽の中で時間をかけて芳香に変化する。つまり使い回された樽ではなかなか芳香に変化しない。

サントリーが買収したお蔭で樽の確保も出来たのは慶賀な事であって、たまにはサントリーさんも良い事をするのだなと感心している。酒の味が変わったという批判はあるにしても。

難しい話はべつとして、アイラモルトの個性が感じられる複雑で旨い酒である。





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コメント(8件)

内 容 ニックネーム/日時
>少し高い酒を・・・

私も時々そんなふうに思うのですが、なかなか・・・
でも、やっぱり値の張る酒はそれなりのもんだなと先日郷里に帰ったときに買った「伊達」を飲んでつくづく思いました。
今度は・・・正月ぐらいに一つと思ってはいるのですが・・・
三友亭主人
URL
2013/10/29 07:44
こんにちは! おっ〈ボウモア〉ですね。じつは〈ラフロイグ〉もどちらもまだ飲んだことがなく、憧れているだけであります。テイスティングを伺うと、どうやらボウモアを先に飲んだ方が良さそうに感じましたね。ラフロイグのほうが強烈な香りがしそうです。
アイラモルトを欠かさずにいる方は、本当にそれが好きな人なんでしょうね。乙山など、アイラモルトは常備せず、バーでちょっとなめさせてもらうくらいがちょうどいいのかもしれません。
只野乙山
URL
2013/10/29 11:41
三友亭主人さん コメント有り難うございます。

たまに良い酒を飲むと染みますよね。
私もこのところ1000円台のウィスキーばかり飲んでいたので、ちょっと良い酒を飲んだら染み渡ります。

臨時収入がある時だけちょっと頑張ります。
目安は5本に1本と思っているのですが、なかなか…
Nori
2013/10/29 18:04
乙山先生 コメント有り難うございます。

ボウモアはなかなか穏やかで良い酒ですよ。
もう少しアイラの特徴が強いかなと思っていましたが、ピート香がありながらの複雑で華やかな酒でした。
コクも厚めでアイラモルトというより旨いスコッチです。

まあラフロイグに慣れていると、他が穏やかに見えてくるというのもあるんでしょうけど。
ラフロイグの正露丸と煙と濃い味に慣れても、長い中休みを撮る人が多いそうですよ。
ボウモアはそんな事もなく、普通に飲み続けられます。
Nori
2013/10/29 18:16
年をとってくると安い酒を飲まないほうが
いいような気がします。
ホワイトリカーのような焼酎や
調理酒のような日本酒は酔い方がよくない。
いい酒を(もったいないので)控えめに
ちびちびやるくらいが健康にも財布にも
ベストかもしれません
根岸冬生
2013/10/30 14:14
根岸さん コメント有り難うございます。

旨い酒を少量。確かにそれが一番良いように思います。
このところ1000円台スコッチばかり飲んでまして、良い酒を飲むと減るのが早い…。
面白いもので旨くない酒はなかなか減っていかないんです。

基本的に良い酒だけを飲みたいのですが、ロイヤルハウスホールドに到達するまで踏破すべき課題は多いのです。
旨くない酒も等しく減らさないといけないのが辛かったりします。

もったいないお化けが出るので。
Nori
2013/10/30 19:19
 ボウモアにかぎらず、ウィスキーの12年物はまるで別物のようにうまいですね。酒も人間も寝かせるほど味が出るのかな?

 ところでいわゆる千円ウィスキーですが、昔はかなり高価でした。それを知っているものですから、いまはありがたく(笑)飲んでいます。

 Noriさんや乙山さんのようにじっくり味わうことをせず、ぼくみたいにホワイトリカーから高級ウィスキーまで、なんでも見境なく飲んでしまうのは、まあ一種の特技といえるかもしれません(さすがに日本酒の料理酒には手を出しませんが)。

> 旨い酒を少量。

 それが理想だと承知はしているのですが、うまい酒でもたいしてうまくない酒でも平等無差別に、つい酔うまで飲んでしまうのは悲しい習性です。
薄氷堂
URL
2013/10/31 07:57
薄氷堂さん コメント有り難うございます。

1000円スコッチも中には侮れないものもありますよね。
良い酒ばかり選びたいのも山々ですが、専ら経済的事情で1000円スコッチ探訪を余儀なくされています。

私の場合は味わうと言うよりも、どんな酒でも良い部分を見つけようとしてるだけかも知れません。
折角買ったのに飲まないのは余りに可哀想ですから。
っていうか勿体ない…。

ちなみに私はたまに料理をしますが、その時は料理ワインをつまみ飲みしますね。
「かーっ旨くねえな」とか言いながら。
不味かったら飲まなきゃ良いのに。
Nori
2013/10/31 09:03

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