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zoom RSS 間口が広いというのは 苗加屋 琳黒 純米大吟醸

<<   作成日時 : 2014/09/08 23:30   >>

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いい大人になるまで日本酒を好きではなかった。
私が育ったのは日本酒の酒蔵があちこちにあるような土地柄で、大人達が飲むものはビールなどではなく日本酒ばかりだったにもかかわらず。
何故日本酒を好まなかったのかと言えば、高校時代に姉の結納が我が家で行われた後で、伯父にしこたま飲まされて人生初の『酔いつぶれ』を経験したからに違いない。

人間には基本的に防衛本能があるようで、それ以来日本酒の臭いを嗅ぐだけで気持ち悪くなった。いわゆるパブロフの犬、条件反射である。
大学に行ってから酒の洗礼を浴びることになっても、日本酒は忌避の対象以外の何者でもなかった。だからビールやバーボンばかり飲んでいたのだけれど。

酒の味の判る大人になってから我が郷土の酒は極めて淡麗で、ある程度飲んでも酷い酔い方にはならないことを知った。だって学生の頃に飲んだ日本酒なんて、アルコール臭くて変にネチネチとする舌触りのものばかりだったのだから。
恵まれた環境にいたことを後になって知る。何と勿体ない。
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ということで冷蔵庫でキンキンに冷やしたのを残暑厳しき折に飲む。
元々この酒は自分で買ったものではなく、この間遊びに来た義兄から頂戴したものである。そうそう、私が人生初マグロになった事を良く知る人物である。そしてこの酒を造っている蔵元の若鶴酒造の縁戚にある人だったりするのであるが。

苗加屋というのはこの若鶴酒造の屋号に由来する。最近は都会の気の利いた居酒屋などでも目にする機会は多いだろう。実際に赤坂の『海鮮山鮮』にも有ったけれど、京都の居酒屋でも目にしたことはある。
そしてこの酒は大寒の一番寒さの厳しい時期に仕込んで造るらしい。使っている米は山田錦100%。

日本酒はウィスキーの時とは違って、私の語彙の引き出しはとても少ない。だから単純に旨いか旨くないか程度の話しかできないのでご容赦を。

色は無色透明(当然か)。香りは甘い香りが立つ。麹から造られた甘い酒の匂い。
飲み口は最初水の如し。というか旨い水の味がする。それから甘さが徐々に広がっていき、刺激が立ち上がる少し前に濃厚な米の味。そしてその刺激は柔らかく柔らかく。
余韻は少しの甘みと米の風味が嫋々とたなびく。若干の酸味。そして良い香り。
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富山の酒というのは酒のみで「どうだ旨いだろう」と主張するものは少なく、塩気の強めの魚介類と合わせると真価を発揮する。食中酒として用いるのに最適なのは当然ながら、黒作りやコノワタなど箸の先にちょっとつけて舐めて飲むという飲み方に合っている様だ。

淡麗な富山の酒でメジャーなのは『銀嶺立山』だが、この酒はもう少しだけ自己主張がハッキリしている。にもかかわらず日本酒嫌いの人が感じる嫌みが無い。
どんな人間が飲んでも旨いと感じる間口の広い酒だと思う。

世の中には「間口が広い」とか「敷居が低い」という表現をネガティブだと感じる変わり者も居るらしいが、酒を飲むにあたっての障壁がないのは悪い事じゃない。酒については飲みやすいという事が色々な人にウケるという事なのだから。

「飲み慣れないと旨さが判らない」という酒も存在するが、それはまたそれで素晴らしいことだと思う。
基本、酒というのは嗜好品ですからな。

というわけでこれを頂戴した義兄にも感謝を。





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コメント(6件)

内 容 ニックネーム/日時
今にして思えば我々が若かった頃、一般に出回っていた酒はひどいものが多かったように思いますね。あんな酒ばかり飲まされていたら、日本酒離れが起きても当然・・・業界にとっては自業自得と入ったところでしょうか。

とはいいながら、そんな酒でも私なんかはうまいうまいと思いながら飲んでいたもの・・・

そんな私を目覚めさせてくれたのは、新潟の地酒「越の白雪」。本当に目が覚めました。今まで自分が飲んでいたものは何だったんだと・・・
三友亭主人
URL
2014/09/11 07:34
三友亭主人さん コメント有り難うございます。

いやいや本当に昔の日本酒は酷いものが多かったですね。
ガード下あたりの居酒屋で燗酒でも頼もうものなら、妙に刺激の強い甘ったるいものが出てきて、酷い酔い方になった事を記憶しております。

私が住んでいた街には『賀茂鶴』しか置いてない居酒屋とか、全国の銘酒を集めた居酒屋とかありましたので、飲みに行かなければならない時には逃げ場所にしていました。

いい大人になってから改めて日本酒を飲んでみたら、旨い酒はやっぱり旨いと思いましたね。
今住んでいる地元の酒蔵は未だにあのネチネチした感じの酒を造ってますけど。
Nori
2014/09/11 08:42
こんにちは! 1980年代では、まだ「純米酒」とか「地酒」の良さが浸透していないところも多く、大手酒造会社の造ったアルコール添加と加水の多いひどい酒が出回っていたと思います。
実際、仕事を始めて「忘年会」とか「新年会」に列席し、日本酒のひどさに閉口したものでした。1980年代の終わり頃、とある地酒専門店で酔鯨の純米吟醸酒を飲んだときは衝撃でしたね。それから、日本酒が好きになったのです。
ビールは最初の一杯だけにして、後は日本酒、という飲み方が恋しい季節になろうとしていますね。
只野乙山
URL
2014/09/11 11:38
乙山先生 コメント有り難うございます。

私の学生時代にはまだまだひどい酒が氾濫していましたね。
学生達は関西ではあまり馴染みのない『ホッピー』とか『ハイサワー』ばかり飲んでいました。
ただ先輩達とのお付き合いでどうしても日本酒を飲まないといけない事も多くて困りました。

近所に民芸居酒屋というか郷土料理の店があって、そこは『賀茂鶴』しか置いてありませんでした。そこで「変な臭いのしない酒もあるんだ」と学んだ訳です。
先輩達が「飲みに行こうか」と誘ってくれた時は、「あの店に行きませんか」と誘導して行く様になりましたね。

仰有る様にこれから少し涼しくなってきますから、日本酒には良い季節ですよね。
鍋に熱燗と言う季節もそろそろです。
Nori
2014/09/11 17:46
あごがれの琳の黒。たった今、飲みました。澄み過ぎる、透明、それが私にとっての印象。琳の青、琳の赤、それぞれ美味しく頂きましたが、それ以上です。下世話ですが、高い日本酒というものは、このような味なのか、自分は日本酒をわかってなかったのかと愕然としたのです。美味しいのですが、何か引っかかりがないと言うか…。日本酒の旨いと思う基準、自分自身の好みをあらためて考えさせてもらった日本酒でした。
ともぞう
2015/01/18 01:51
ともぞうさん コメント有り難うございます。

日本酒は一時の粗製濫造期を経ておりますから「昔の日本酒臭さ」を蛇蝎のように嫌う人が多いのだと思います。
確かに淡麗な酒がもてはやされる傾向があると思いますが、日本酒の旨さはそれだけではないような気がします。米麹で作った特有の香りが苦手だという方は多いようです。

ですが味の厚みがどっしりした酒も存在していて、以前の記事にも書きました『竹泉』とか兵庫県但馬地方の酒はそういうタイプが多いようです。

富山の人達は魚介中心の食生活だったから、こんな酒になったんだろうと思います。
逆に但馬地方では古来より濁酒などの濃い酒を飲み続けてきた土壌があるのだと思います。

そういったものを比べてみるのも面白いんですよね。
Nori
2015/01/18 12:21

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